ドルトンプランとは
100年前の米国で提唱された
教育メソッド
ドルトンプランは、今からおよそ100 年前に、米国の教育家ヘレン・パーカストが、当時多くの学校で行われていた詰め込み型の教育に対する問題意識から提唱した、学習者中心の教育メソッドです。
「自由」と「協働」の2つの原理に基づく「ハウス」「アサインメント」「ラボラトリー」を軸とし、一人ひとりの知的な興味や旺盛な探究心を育て、個人の能力を最大限に引き出すことを大きな特徴としています。
パーカストはその生涯をかけて、一人ひとりの子どもに寄り添い、成長を観察し続けると同時に、研究を続け、実践から形作られた教育法に心理学・哲学・教育学の学問的理論を取り入れ、ドルトンプランを作っていきました。
予測不能な社会を迎えた
今だからこそ
現代の日本は世界で最も成熟した国家の一つとなり、中等教育を含めた教育制度も欧米諸国のそれに引けを取らないものとなりました。その一方で、グローバル化は我々の社会に多様性をもたらし、技術革新によるAI革命の波は劇的に社会の基盤を変貌させつつあります。全く新しい価値観や社会制度の変革が起こることは想像に難くなく、5年後・10年後、今の子どもたちが生きる未来は、参考にできる前例が存在しない、予測不可能な社会です。
前例のない予測不能な社会で、子どもたちに求められるのは、『能動的・主体的に課題と向き合い、他者と協働しながら解決していく力』です。パーカストが提唱した「学習者中心教育」は、主体的に学び、探究・挑戦し続ける姿勢を育む教育です。多様性を理解し、社会に貢献する志をもって、恐れることなく積極的に新しい価値を創造する意志をもたらす教育です。
ドルトンプランを導入した学校は、パーカスト自身が1919 年にニューヨークに設立したThe Dalton Schoolをはじめとして世界中にあり、「自由」と「協働」の精神を育む場として高い評価を得ています。
「ドルトン東京学園中等部・高等部」は私たちを取り巻く文化や環境などの特性を考慮し、日本の教育制度に適合した形で、ドルトンプランに基づいた中高一貫教育を実践してまいります。
2つの原理
Joy of Learning(学ぶ楽しさ)を気づかせ、
Pleasure of Creation(創る喜び)を引き出す。
ドルトン東京学園は、生徒の知的な興味や探究心を原点にする『学習者中心の教育』を実現します。
一人ひとりの個性を大切にし、他者と協働しながら自らの意志で進んでいく人を育てます。
与えられた問いだけでなく、自分が見つけた問いに取り組む。決められた正解を探すのではなく、解のない課題にとことん向き合う。そこに学び本来の楽しさがあり、自ら学び続ける原動力が生まれる。100年の歴史を持つドルトンプランが育てるのは、未来を生きる力です。
3つの柱
ハウスHouse
学年を超えてつながる「小さな社会」
ハウスは、異学年の生徒で構成されるコミュニティです。
日常的に集まって交流したり、協力して行事の企画や準備・運営に取り組んだりします。授業のクラスとは違った立場や役割で様々な活動に参加することによって、多様性の理解や協働が促進され、社会性が育まれていきます。上級生は下級生の学習や生活をサポートすることで、良き先輩としての自己有用感を獲得します。下級生は、ロールモデル(=理想の上級生像)を発見し、今後の自分の姿に見通しを持つことができます。様々な個性が集い、互いの違いを認め、受け入れ、協働する中で、生徒たちは大きく成長していきます。
アサインメントAssignment
基礎から深い学びへと導く「学びの羅針盤」
ドルトン東京学園の学びは、「アサインメント」を中心に展開しています。
アサインメントは、学習内容(単元・テーマ)ごとに用意されており、学習の目的や到達目標、学習の方法と手順、様々な課題が具体的に示されています。これを用いることで、生徒は自分が学んでいることの意義や目的を知り、ゴールまでの道のりを見通し、自分に合った学習計画を立てることができます。
ラボラトリーLaboratory
学びを深め、広げる小さな「自分の研究室」
本校では、自由に学ぶマインドやスキルを身につけ、自分の探究を行うことができる「ラボラトリー」の時間を設定しています。
ラボラトリーには、主に学年毎のテーマに取り組む「基礎ラボ」と、個人の興味関心の幅を広げ・深める「探究ラボ」があります。探究ラボは、多様なテーマで展開する「テーマラボ」、自分でテーマを決めて計画的に学ぶ「オフィスアワー」に分かれています。授業での学びを深め・定着させたり、教員や友人と相談をしたりするなど、自分の学びを自分で創り上げていくことができます。探究のマインド、スキルを身につけ、研究室で学ぶかのように、自らの課題を探究する時間と場所がラボラトリーです。